旦那様は高校教師


2人と話をした事で、鼓動の原因が恋であると判明したのは良いけど、此れからどんな顔して話せば良いの?



先生の事を意識し過ぎて、今までのように振る舞える自信がない。



恋だって気付かない方が良かったかなぁ?



帰りのホームルームでは先生の顔を見る事が出来ず、空を眺めて気持ちを紛らわした。



すると暫くして、チクチクチクッと誰かの視線が向けられる。



誰!?



其の主を確かめたい。



でも今は、教室内を見れない。



ううん、見る勇気がない。



もし先生の姿を見てしまったら、私の顔は沸騰する。



だからどうしても、振り向けない。



先生、ごめんなさい…。



申し訳ないと思いながらも、ホームルームが終わるまで私は空を見続けた。



特に先生に注意を受ける事もなく、どうにかホームルームが終わり、ホッと一息付く。



私は下を向いたまま鞄に手を掛け立ち上がった。



「南条!!」



うっ………。



机の下に椅子を入れた瞬間、先生に声を掛けられた。





< 48 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop