旦那様は高校教師
「ほたる、決まった?」
祐奈が通路を歩いて来る。
「うん♪此れにする!」
私は籠の中の毛糸を、祐奈に見せた。
「其れ良いねぇ!私は此れにしたんだけど…岡本さんに似合うかな?」
祐奈が選んだのは茶系の毛糸。
「うん♪似合うと思うよ」
私の言葉に祐奈は照れ笑いを見せる。
会計を済ませ、私達は駅へ向かった。
「ほたる、毛糸と編棒を貸して?」
ホームのベンチに座り、私は買ったばかりの毛糸と編棒を祐奈に渡した。
「先ずこうやって目を作り…此処から1段目ね…」
私はゆっくり編んでくれる祐奈の手元に釘付け。
「此れで1段目が完成。2段目も同じ……ほたる、編んでみて」
祐奈に手渡され、見よう見まねで一目を編む。