旦那様は高校教師
「俺の話、聞いてる?」
突然、私の視界に永田君の顔が入ってくる。
えっ!?今のは…。
「私に聞いてたの!?」
「そうだけど…」
私の問いに、永田君は苦笑いを浮かべる。
「ご…ごめんなさい…」
私は慌てて頭を下げた。
永田君、ホントにごめんね。
私はてっきり、祐奈に話し掛けてると思ってたの。
きっと今は、誰に話し掛けられても耳には届かない。
ただ1人を除いては…。
「もうすぐチャイム鳴るぞぉ」
廊下で心ちゃんの声がする。
わっ!!急いで片付けないと!!
私は鞄を開け、編み物道具を押し込めた。