旦那様は高校教師
「私…そろそろ行って来るね!!」
「おぅ!!気を付けるんだぞ?」
「はい」
お昼少し前、私は心ちゃんに見送られアパートを後にする。
見慣れた風景を体で感じながら、近くの駅まで祐奈·詩織·栗山君を迎えに行った。
駅の階段を登った所に、到着予定の電車が入って来る。
そして、楽しそうに降りてくる3人の姿が見えた。
うわっ…どうしよう…。
ついに此の日が来ちゃったんだね!?
覚悟を決めたはずなのに、また迷いが生じる。
『大丈夫!3人を信じよう…』
心ちゃんに言われた言葉を、繰り返し繰り返し心の中で唱えた。
私は3人と合流すると、アパートまでの道のりを、ドキドキしながら進んだ。
駐車場に、心ちゃんの車は停まっていない。
此処までは、打ち合わせ通り順調に進んでる。
ホッと溜め息を付きそうになり、私は其れを我慢した。
だって、まだ此れからなんだもん!
安心出来るのは、全てが無事に終わってから…。