旦那様は高校教師


「何だぁ、両親と住んでるわりには、荷物が少ないと思ったぁ~」



詩織の明るい声が沈黙を破る。



良かったぁ…詩織、助かったよ。



有り難う。



「彼氏と一緒に住めるなんて良いなぁ…。俺も詩織と一緒に住みて~」



嘆きとも言える栗山君の声にただ1人、詩織だけが照れている。



「でっ?彼氏は何処?」



詩織と祐奈はキョロキョロと辺りを見渡す。



「今ケーキを買いに行ってるから、もうすぐ戻ると思う…」



「本当!?ついに会えるんだ!?」



3人共、急にテンションが上がり、ソワソワし出す。



私は料理を運びながら、心ちゃんの帰りを待った。



カチャッ。



玄関の開閉音が、微かにキッチンへ届く。



あっ!!心ちゃんが帰って来た♪



私は皆に気付かれない様、静かに階段へ向かった。





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