旦那様は高校教師


ずっと言えなかったもんなぁ。



待たせて悪かった…。



ほたるの両頬に手を添え、顔を上へ上げると視線が交わる。



ほんの数秒だけ見付め合い、親指で涙を拭ってあげた。



「ゴホンッ!先生、私達の事忘れてません?」



西野の声で、俺の意識が現実へ戻される。



「あっ、悪い…つい…」



俺は皆の方へ体の向きを変え、頭を下げた。



「いやぁ~先生とほたるちゃんが結婚していたとはね…永田誘わなくて良かった…」



栗山がボソッと呟いた最後の言葉、確り聞かせて貰ったぞ?



お前は永田を誘うつもりだったのかよ!?



其れだけは勘弁してくれ!!



俺が俺でなくなる…。





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