旦那様は高校教師


「ほたる?此方においで…」



ご飯も食べず、ほたるはキッチンと部屋の往復を繰り返す。



食べた皿を下げたり、飲み物を注ぎに行ったり…。



こう言う時、主婦って忙しいんだよなぁ。



「後は俺がやるから…」



炬燵台に皿を置いたほたるの手を掴み、其のまま座らせた。



「先生、優しい~♪」



加賀が冷やかす。



加賀…俺ホントは優しくなんかないぞぉ?



俺はほたるが好きだから…。



1つでも役に立ちたいから…。



自分に出来る事をしているだけ。



だから優しさとは違うんだよ。



手が空くと、俺はほたるの隣に座り時折つまみ食いをする。



視界に入るほたるの顔からは笑顔が溢れ、今まで見た事がない輝きに満ちていた。





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