旦那様は高校教師
「詩織…写メの事なんだけど…。栗山君は悪くないの…」
あれは最初に見た携帯の文字に対して私が『うん』しか答えなかったから、永田君に不自然に思われない様、詩織の写メを見せてくれたの。
決して悪気があった訳じゃない。
「私が悪いの…。詩織ごめんね…」
「理由は分かったけど…あれ程人には見せないでって言ったのに…」
詩織は頬を膨らます。
簡単な説明でどうにか理由は分かって貰えたけど、詩織の機嫌は一向に治らない。
どうしたら良いのかな?
「詩織、ほたるだって秘密を教えてくれたんだよ?お互い様で良いじゃない」
祐奈は子供を宥めるお母さんの様に、詩織に言って聞かせる。
「ん………そうだね…」
詩織に笑顔が戻り、漸く私もホッと一息付けた。