旦那様は高校教師


「詩織…写メの事なんだけど…。栗山君は悪くないの…」



あれは最初に見た携帯の文字に対して私が『うん』しか答えなかったから、永田君に不自然に思われない様、詩織の写メを見せてくれたの。



決して悪気があった訳じゃない。



「私が悪いの…。詩織ごめんね…」



「理由は分かったけど…あれ程人には見せないでって言ったのに…」



詩織は頬を膨らます。



簡単な説明でどうにか理由は分かって貰えたけど、詩織の機嫌は一向に治らない。



どうしたら良いのかな?



「詩織、ほたるだって秘密を教えてくれたんだよ?お互い様で良いじゃない」



祐奈は子供を宥めるお母さんの様に、詩織に言って聞かせる。



「ん………そうだね…」



詩織に笑顔が戻り、漸く私もホッと一息付けた。





< 529 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop