旦那様は高校教師
第3章 夏(6月) 心矢目線
電話
梅雨らしく、ここ数日は雨の日が続いてる。
こうも続くとウンザリしそうだ。
多少、鬱陶しく思いながら俺は職員室の外へと目を移す。
おっ!あんな所に公園がある。
住宅地の間にポツンと見えた小さな公園。
今まで全く気付かなかったなぁ…。
黙って其処を見ていると、不意に南条の事が頭に浮かぶ。
そう言えば1週間程、公園で姿を見ていない。
雨が降っているから、散歩を休んでいると思いたいが、俺は何回となく雨の日も南条を目撃している。
公園で話をするようになってから、雨の日は散歩を休むように注意はしていた。
だけど南条は、次郎の散歩を止めなかった。
其れなのに、今回に限り何故来ない?
もしかして俺の忠告を守っているのか?
中間テストも近いし、勉強をしているとも考えられる。
それなら良いんだけど、まさか親戚と何かあったとか!?
気付けば俺の頭の中は南条の事で一杯になっていた。