旦那様は高校教師


気が付くと、俺は車の鍵を持って、職員室を飛び出そうとしていた。



んっ!?待てよ?



確か1·2時限目は、授業が入っていたはず。



南条の事は気になるが、教師の俺が授業をサボるわけにいかない。



念のため、デスクマットに挟んだ時間割りで、今日の予定を確認した。



やはり1·2·4·6限目は、授業が入っている。



自習にして、南条の様子を見に行くか?



だが、俺の身勝手でそんな事をしてはいけない。



教師としての立場を忘れない内に、俺は職員室を出て教室へ向かった。



もうすっかり見慣れた光景なのに、南条が居ない教室は灯が消えたように寂しい。



何故そんな風に感じる!?



今日の俺、やっぱり変じゃないか!?



朝のホームルームが終わると、小走りで職員室へ急いだ。



そして、1時限目が始まるギリギリまで何度も電話を掛けたが、誰も出ない。





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