旦那様は高校教師
新学期
心ちゃんの実家で過ごした冬休みは、心がとっても暖かくなり、嬉しい毎日だった。
朝晩は次郎のお散歩して、昼間はお庭で駆けっこしたりお風呂に入れたり…。
こんなに長い時間、次郎と過ごすのは本当に久し振りで、楽しくて仕方なかった。
中でも一番嬉しかったのは、お父さんとお母さんも、次郎を大切にしてくれてる事。
私達が来るまで、毎日交代でお散歩へ行き、遊び相手をしてくれていた。
親戚に可愛がって貰えなかった次郎の事を思うと、其れが嬉しくて堪らない。
星野家に来て、次郎もやっと幸せを掴めたね。
私も同じだよ。
心ちゃんは勿論の事、お父さんお母さんも幸せをくれる。
ホント星野家の皆には、どんなに感謝してもし足りない。
だから一生此の心を忘れず、恩返しして行こう…。
「心ちゃん…私、此のまま此処で生活したいな…」
明日アパートへ帰ると言う日、私はそんな事を口走った。
「えっ!?」
驚いた顔の心ちゃんは、其れ以外の言葉は発せず黙り込む。