旦那様は高校教師
「おはよう」
廊下に祐奈の姿を見付け、少し足を急がせる。
「おはよう。ほたるが来るの待ってたんだよぉ」
ニコニコ顔の祐奈に背中を押され、私は席に着く。
何か良い事でもあったのかな?
「祐奈どうしたの?」
「あのね…冬休み前に編んだマフラーなんだけど…。岡本さん受け取ってくれたの♪」
祐奈は顔を赤くし、照れ臭そうに笑った。
「良かったね♪」
「う…ん…」
ア…アレッ?今度は寂しそうな顔。
一体どうしちゃったの?
「何かあったの?」
「ん…クリスマスの日『此れ貰って下さい』って岡本さんにプレゼントを差し出したの…」
祐奈はほんの少し宙を仰ぐ様に、ゆったりとした口調で話を始める。