旦那様は高校教師
永田の言う事は良く分かる。
でもな、俺には大切にしたい物があるんだよ。
其れはほたるの気持ち。
自分のエゴで、真っ直ぐで純粋なほたるの心を、踏みにじる様な真似は出来ない。
俺はあの日…プロポーズした時から決めている。
ほたるの笑顔は絶対に守る!!と。
だから俺は自分の感情より、ほたるの気持ちを最優先したんだ。
今後もし、ほたるの選んだ答えが棘の道だったとしても、俺は共に歩んで行くよ。
キーンコーンカーンコーン。
授業始まりのチャイムが、相談室イッパイに響く。
静かな部屋には煩い位、喧しく感じる。
「永田、引き留めて悪かったな!」
「いぇ…先生と話せて良かったです」
窓から体を離し、永田はドアへ向かって歩き出す。
「…ほたるちゃんが毎日幸せそうに輝いて見えるのは、先生の愛の力があったからなんですね…」
フッと照れ笑いを見せ、永田はいそいそと相談室を出て行った。