旦那様は高校教師
えっ!?『乗って』って…。
「詩織は!?」
「私は駆君の後ろに乗るから大丈夫」
詩織は馴れた足取りで軽々と永田君のバイクに股がる。
今更だけど…もう1台のバイクの運転手が永田君だって、今頃気付いた…。
ごめんね、永田君。
ずっとヘルメット被ったまま、何も喋らないから分からなかったの。
「詩織…私やっぱり…詩織の彼氏の···」
「ほたる!!私の事は気にしなくて良いの!!」
私の言葉を詩織の強い口調が遮る。
「駆君の後ろに乗ったって分かったら、先生がヤキモチ妬くでしょ?だから今日は純の後ろに乗って」
「詩織有り難う」
私は詩織の優しさに泣きそうになりながら、ヘルメットを被った。