旦那様は高校教師


体も自然と背中にくっつき、徐々に栗山君の体温が伝わってくる。



知らなかった…。



バイクの2人乗りって、こんなに密着するんだね。



もし運転手が永田君だったら……。



間違いなく心ちゃんはヤキモチ妬いただろうし、私も気まずくて乗れなかったと思う。



そんな色々な思いを組み取って、詩織と栗山君はパートナーを変えたんだね。



気を遣わせちゃってごめんなさい。



でも2人の優しさは凄く嬉しいよ。



有り難う。



「じゃぁ行くよ!!」



栗山君の言葉にコクンと頷くと、バイクはゆっくり動き出す。



初めて乗るのバイクは、当たり前だけど寒い。



其れと直に風を感じるから、絶叫マシンに乗ってるみたいでとてつもなく怖い。



目なんか絶対に開けられない。



詩織には本当に申し訳ないと思うけど、私…今多分凄い力で栗山君に抱き付いてる。



詩織…心ちゃん…本当にごめんね。



怖くて、此の手を緩める事が出来ないの。





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