旦那様は高校教師


そっか…皆は保護者と一緒なのに、私は1人。



だから先生は心配そうな顔をしてるんだね。



あのね、私だって好きで1人で来た訳じゃないんですよ?



ちゃんと理由があります。



でも、今の生活状況は誰にも知られたくない。



お願いします…何も聞かないで下さい。



「あのさ………いや何でもない。気を付けて帰れよ」



先生は私の心が読めるのか、特に何も聞かなかった。



良かったぁ。



私は内心凄くホッとした。



だけど先生が言った『あのさ…』の続きは気にる。



でも、敢えて聞かない。



だって自分の事を聞かれるかも知れないから…。



「さようなら先生。1年間宜しくお願いします」



私は再度引き留められない様に、明るく振る舞った。



「さようなら。此方こそ1年間宜しくな!」



「はい」



先生に笑顔で見送られ、私は学校を後にした。





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