旦那様は高校教師
「不安にさせてゴメン」
俺は小刻みに震えるほたるを、強く強く抱き締めた。
「見付かったらどうしようって怖かった…」
「いつも玄関の鍵は閉めてるし、大丈夫だよ」
「うん…でも何度もチャイム鳴らしたり、ドアをガチャガチャするの…。心配して下の階の人まで来ちゃって…」
「そうか…。そんな事があったのか…」
1人で怖かったよなぁ。
子供を寝かしつける時みたいに背中をトントンしていると、ほたるは徐々に落ち着きを取り戻す。
「有り難う、心ちゃん。もう落ち着いた」
僅かな笑みを見せたほたるは、再びキッチンに立つ。
そして晩ご飯を食べ終わった後、冷蔵庫からケーキを出してきた。
「此れは私から心ちゃんに…手作りのチョコケーキだよ」
「有り難う。一緒に食べよう!」
「うん♪」
ほたるが作ってくれたケーキは、店頭で売ってる物より美味しかった。