旦那様は高校教師
第12章 春(3月)
ホワイトデー
3月1日、先輩達が卒業して行った。
3年生が居なくなった学校は、何だか寂しい感じがする。
でも友達に囲まれて過ごす毎日は凄く楽しくて、そんな気持ちは直ぐに消えた。
「ほたるちゃん、ちょっと良い?」
休み時間、教室を訪れた栗山君にベランダへと連れて行かれる。
「どうしたの?」
「もうすぐホワイトデーだろ?詩織に何をやったら良いかと思って…」
もうそう言う時期なんだね。
詩織に渡すホワイトデーでしょ?
栗山君には申し訳ないけど、私には分からないよ。
何せバレンタインだって初めての経験だったんだから…。
私はほぼ素通りするスーパーのホワイトデーコーナーを頭に描く。
「私がいつも行くスーパーには、小さい籠に入ったマシュマロとかキャンディ…ハンカチ等も売ってたけど…」
「ん今いちピーンと来ないんだよなぁ~。あっ、そうだ!今週の土曜日、俺に彼氏貸して?」