旦那様は高校教師


「来てくれて有り難う。でも、どうやって…」



「どーも…」



私の言葉を遮り、ひょっこり現れたのは永田君。



あっ、成る程!



永田君が祐奈を乗せて来たのね。



「先生、早く行こうぜ!」



栗山君が急かすから、心ちゃんはゆっくりする間もない。



「じゃぁ行って来る!Chu!」



心ちゃんは変装道具を持って、慌ただしく出掛けて行った。



私達は炬燵の部屋に集まり、女だけの井戸端会議が始まる。



「先生ってさぁ、学校と家では全然違うよね~。家に居る時は凄く幸せそう」



詩織が羨ましそうに私を見る。



羨ましいのは私も同じ。



だって詩織は、学校でも外でも、栗山君と堂々と話したりデート出来るでしょ?



私達は学校で話をしたりデートだって出来ないんだよ?



其れに、常に人目を気にしてる。



だからと言って、其れに対しての不満はない。





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