旦那様は高校教師


「私ね、こんなに誰かを好きになったのって初めて。でも諦めるしかないのかなぁ…」



祐奈は大きな溜め息を吐く。



「何もしないで諦めるの?まだ気持ち伝えてないんでしょ?」



詩織の言葉に、祐奈は黙って頷く。



「好きな人が居ても、其の人と付き合ってるわけじゃないんだし、諦める前に気持ち伝えてみなよ!」



詩織は祐奈の肩に手を回す。



「其れは…無理。私から告白なんて…」



「じゃぁ、ずっと片思いでいるの?」



少しの沈黙後、祐奈が小さく呟く。



「いる…カモ…」



「えーっ!?私なら直ぐ好きって言っちゃう」



「私、詩織みたいになれないもん!」



祐奈が少しずつ、いつもの明るさを取り戻していく。



友達歴が長い分、詩織は祐奈を笑顔にする方法を良く知っている。



私1人だったら、きっと2人でしんみりしていたと思う。



いつか私も、詩織と祐奈の様に強い絆で結ばれた友達になりたいなぁ。



その後私達は、心ちゃん達が帰って来るまで色々な話をした。





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