旦那様は高校教師


あ~ぁ、お布団も敷いたし、お風呂の準備も終わっちゃった。



もう何にもする事が無い。



取り敢えず、私はTVを点けてみた。



………。



どうしてかな?



いつも視てる番組だけど、今日は楽しい気分になれない。



『心ちゃん、帰りは何時になりますか?少し公園に行ってきます。 ほたる』



私は心ちゃんにメールをし、久し振りに公園へ向かった。



特等席に寝転んで空を眺めると、春の大曲線·春の大三角·春のダイヤモンド·ししの大がま等が見えていた。



凄く綺麗。



何だか1人で観るのが勿体無いなぁ。



心ちゃんにも此の空を見せたあげたい。



家に持って帰れたら良いのに…。



カン カン カン…。



静かな公園に、滑り台の階段を上ってくる音だけが、不気味な程響いて来る。



体を起こすと、待ちわびた大好きな顔が目に飛び込んで来た。



「ただいま。遅くなってごめんなぁ」



「心ちゃ~ん、お帰りなさい。凄く寂しかった…」



私達は滑り台の上で抱き合い、沢山沢山キスを交わす。



ずっと見守ってくれてた三日月は、恥ずかしそうに雲に隠れ、夜空とこっそりキスをしている様だった。





END
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