旦那様は高校教師
『とにかく、ほたるは連れて帰って来て下さいね!』
ガチャッ。
一方的に電話を切られてしまった。
俺は酷い脱力感に襲われた。
一気に体力を消耗した気分だ。
南条の出生の事実にも驚いたが、結婚話…。
どうするかな………。
独断で決められる事ではないし、南条の将来にも影響を及ぼす重大な事。
教師と生徒が付き合うだけでも、問題になるこの世の中。
危険な事に巻き込みたくはない。
だが南条をあの家から連れて行く為には、外す事が出来ない唯一の条件…。
もし彼女が望むなら、此の手で幸せにしてあげたい。
だけど俺は教師だ!
生徒である南条と結婚したら、俺以上に辛い思いをさせてしまう。
卒業まで待たせるのは余りにも酷だ。
教師という立場が重くのしかかり、中々煮え切らない。