旦那様は高校教師
第4章 夏(7月)

公園 PART3



何となく覚えてる、微かな記憶…。



あの日…土砂降りの雨の中、私は家を飛び出した。



ずぶ濡れのまま、公園内をフラフラ歩いていると土管が目に止まる。



此のままじゃ、風邪を引いちゃう。



私は少しでも雨を凌ごうと、中へ入った。



それから暫くして寒気に襲われ、座るのさえ儘ならなくなり、土管の壁に寄り掛かると体が徐々に沈み出す。



私、どうしちゃったんだろう……。



体も怠い…。



不本意ではあったけど、私は硬いコンクリートに横たわった。



すると今度は、頭痛に見舞われ、その痛みは段々強くなっていく。



頭が割れるように痛い……。



此のまま私は死ぬの?



嫌だ…死にたくない!



先生…助けて…。



助け……て……。



心の中で助けを求めるうち、私の記憶は途切れてしまった。



だけど意識が朦朧とする中、先生が来てくれたような記憶は残っている。





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