旦那様は高校教師
「南条?顔が赤いけど、また熱が出たんじゃないか!?」
先生が繁々と私の顔を見付める。
こ…此れは違うんです。
先生が近くに居るから…私をドキドキさせるから顔が火照ってるんです!
なんて口が避けても言えない。
「大丈夫です!其れより此の前は有り難うございました。先生が病院へ連れて行ってくれたと聞きました」
此れ以上顔を見られないように、私は深々と頭を下げた。
「そんな事、気にしなくて良いよ?其れよりご飯食べない?」
先生は袋を持った右手を軽く上げる。
「は…ぃ…」
私が遠慮がちにベンチへ座ると、其の隣に先生も座る。
そして、2人で並んでお弁当を食べた。
お互いの腕が触れるか触れないかの近い距離。
先生を好きだと認識してからは、此の距離が私の鼓動を暴走させる。
「南条、其の弁当美味いか?」
「はい!とっても美味しいです」
先生?ごめんね。
本当はドキドキし過ぎて、味なんて分からないの。