旦那様は高校教師


「分かった!待て待て」



先生は次郎にお裾分けしたり、自分の口へ運んだり…忙しそうにお弁当を食べた。



私達がお弁当を食べ終わると、次郎は不服そうにウロウロ歩き回る。



「南条…お前の特等席で星を見ても良い?」



先生は立ち上がると、滑り台を見つめる。



「勿論!良いですよ」



「良し!!じゃぁ一緒に見ろう!」



一緒に!?



彼処は狭いですよ!?



「一緒は嫌?」



少し低い先生の声とチョット淋しそうな目に、私の胸がキュンとなる。



「いぇ…一緒に見ます…」



次郎のリードを鉄棒に繋ぎ直し、私達は滑り台に上がった。



先生はさっき私が居た場所に寝転ぶ。



私は何処に座ろう…。



右側?其れとも左側?



あっ!後ろに座る事も出来る。



迷っちゃうなぁ…。



私は色々迷った挙げ句、先生の左隣にチョコンと座った。





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