旦那様は高校教師
「先生…何処にも…行かないで…。私を…1人に…しないで…。ずっと…ずっと…私…の…傍に…居て下さい……」
私は涙を拭きながら、先生に背を向けた。
すると、背後から先生が私を抱き締める。
えっ!?何!?
今、一体何が起きてるの!?
「俺も…お前が好きだ!」
ギュッと腕に力を入れて、先生が耳元で囁く。
だけどパニックに陥ってる私には、其の言葉の意味が理解出来ていない。
「学校で…好きだと言う感情を隠しきれるか自信がなくて…。此のままじゃ、いつか南条にも迷惑を掛けてしまう…」
先生の腕に、更に力が籠る。
「俺はお前の笑顔を守りたい。だから教師を辞めようかなって考えてた…」
先生は小さく溜め息を付くと、腕の力を緩めた。
「けど其れは逃げる事と同じなんだよな!だから俺、教師続けるよ…」
私は緩んだ腕からスルッと抜け出し、先生の方へ向きを変えた。
「本当に辞めたりしない?」
「あぁ。ずっと傍に居る…。南条を1人になんかさせない」
私の眼をじっと見つめる先生は、優しく微笑でいた。