旦那様は高校教師


「どうした?また考え事?」



ハッ!?また二十面相してた!?



ん聞き辛いけど、今のままだとモヤモヤは消えない!



「あの……私…恋をしたのも、好きって言ったのも初めてで…」



其の後の言葉が続かない。



「…そっかぁ。普通は付き合おうって言ったりするもんな…」



私が言えなかった言葉の続きを、先生は見抜いていた。



私は下を向き、ドキドキしながら言葉を待った。



「…ごめんな…。俺、南条とは付き合えない。けど…」


付き合えない…。



其の言葉が頭の中でこだまする。



そして、ガラガラと何かが崩れていくようだった。



でも元々、私は先生とお付き合いしたいと望んでいた訳じゃない。



やっぱり生徒と先生じゃ、此処までが限界なんだよね…。



頭では分かってる。



けど、涙が止まらない。





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