同居ゲーム
宏樹
朝、頑張って早起きして、いつもより綺麗にお弁当を作った。
あ~、みんなにからかわれるんだろうなぁとか思いつつ、それでも手は動く。
卵焼きも海斗が好きなしょうゆ味にしたし、焦げないように気もつけた。
神経をすり減らして焼いたせいか、いつもより綺麗に出来た。
「ふぅ。」
みんなの分のお弁当箱に詰め、袋に入れて完成。
と、岩谷さんが起きてきた。
「おはようございます。」
「…おはよう。」
嬉しくてニッコリ笑った。
最近では、岩谷さんは頭を下げるだけじゃなくて声もかけてくれるようになった。
それがどんなに嬉しいか(笑)!
岩谷さんの座った席に朝定番のオムライスとサラダを置く。
「…サラダ?」
ボソッと聞こえた声に顔を上げると、岩谷さんがサラダを指差していた。
「ああ、昨日貰ったの。
で、ドレッシングはあたし作ってみたんです。」
「…ほぅ。」
時間が余ったから市販のじゃないのにしてみたんだよね。
おずおずとカウンターから覗いていると、岩谷さんは少し恐々と口に運んだ。
「…不味いですか?」
「いや、旨い。」
「ホントッ!?」
よかったぁ。