同居ゲーム
悶々
「ただいま。」
ノロノロと玄関に上がる。
彩華を送ってから、一気に何かが乗っかってきた気がする。
自分の部屋に行くには、リビングを通らなければいけない。
今は嫌だなぁ。
あの明るい笑い声の弾ける部屋に入るのはキツい。
重りをつけているような重い体を動かし、ドアを開ける。
「お、由宇希、お帰り。」
「遅かったね。
心配したよ。」
海斗に言われて時計を見ると、6時半だった。
部活をしていないあたしは大抵5時前に帰る。
「ホントだ。
友達といて気付かなかった。」
「まったく、青春してるな。」
央の言葉に曖昧に笑い、あたしは部屋に向かった。
パタンとドアを閉めて、ベッドにダイブ。
制服がシワになるだろうなぁ、と頭の隅で考えた。
でも今はそんな事に気を使っている気力はない。
海斗の予想が現実になった。
あの二人、もう別れちゃうのかな。