同居ゲーム
*第3章*
新たな悩み
あの日から2日。
家では…
「おはよう。」
「あ、おはよう海斗。」
あたしは卵焼きを焼きながら海斗を見上げた。
さらっとした髪を掻き上げながら、笑う。
この笑顔が今まで以上に好きになった。
「なんか今日は起きてくるの早いね。」
いつも案外朝遅いのに。
「一番に由宇希を見たかったから。」
ニッコリと見つめられ、赤面する。
「なんでそういう事言えるのかわかんない。」
恥ずかしくないの?と訊くと、その笑顔のまま続けられた。
「ん〜?
恥ずかしいけど、それ以上に恥ずかしがってる由宇希見てるとあんまり。」
「なんか…ひどい。」
「ひどくないよ。」
もう腰を据える気だったのか、さっさとカウンターに座っている。
卵焼きをひっくり返しつつ、あたしはまた海斗を見上げた。
「海斗、高校どこだっけ?」
「□□高。
由宇希の学校と近いよ。」
「へぇ。
あたし、全然そういうの知らなかった。
でも近いわりには会わなかったよね。」
うん、と苦笑いする海斗。
何故ゆえ苦笑い?