同居ゲーム
ひょっこりと教室から顔をのぞかせ、中をうかがう。
彩華は自分の席に座っている。
顔色はいいようだ。
ひとまず安心。
宏樹は…友達と喋っている。
今まであたし達といたけど、宏樹って友達多いんだった。
なんか、バラバラになった気が…。
「おはよう。」
彩華の机に飛び付くように、近づく。
「あ〜。」
顔を上げた彩華は眠そうに言った。
「ねぇ、今日放課後遊ばない?」
「あの…。」
パッと目を伏せる彩華。
何か…あるの?
「宏樹と話し合うんだ。」
「そう。」
聞くと、彩華から連絡したと言う。
「じゃあ、また今度ね。」
「うん。
ちゃんとするね。」
ガンバ、と拳を握ると、やっと彩華は笑った。
特に何もないまま、今日は終わった。