同居ゲーム



「で、今日かぁ。」


「うん、そうなんだよね。」



ソファーに座りながら、海斗はコーヒーをすすった。



「昨日話し合うって言ってたから。」


「決着ついてるといいね。」



まったくだ。



「ありがとうね、話聞いてくれて。」


「いいえ〜。」



あたしも海斗オススメのコーヒーを一口すすった。



「でもまぁ、気分的に長かったなぁ。」


「まだ終わってないけどね。」



しっかり釘を刺され、あたしははいと頷いた。



そして一気にコーヒーをあおり、タンッとカップをカウンターに置いた。



「おおッ!?」


「じゃあ、行ってきます!」


「あ、俺も行くよ。」



同じようにコーヒーを飲み干した海斗はシンクにカップを置き、バッグを肩にかけた。



いつもはあたしが最後に家を出る。



今日は特別に海斗が待ってくれたんだ。



「じゃあ、行こっか。」



鍵をかけた海斗があたしを振り返る。



「うん。」



きっと、あたしは満面の笑みを浮かべているんだろうな(笑)



誰かと一緒というのが嬉しくて仕方ない。



エレベーターを待ちながら、海斗が呟いた。



「そっかぁ、ドキドキだねぇ。」



思わずあたしはクスッと笑った。



可愛いな、こういう海斗。



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