同居ゲーム
今、あたしに聞かせてるつもりはなくて、自分の中で考えてるんだろうな。



丁度、エレベーターがこの階に着いた。



ドアが開いたと同時に、ガラス張りの側面から見える景色が目に飛び込んでくる。




「いつ見ても綺麗だねぇ。」



言って、隣の海斗を見上げる。



「うん。
今日は天気もいいし。」



ビルに光が反射して、青くなっている。



綺麗…。



もう一度呟く。



うん、と小さく返事を返し、海斗は一階のボタンを押した。



これ、夕方以降が一番綺麗なんだよね、あたしが思うに。



夕方は茜色に染まるし、夜は夜景が綺麗。



エレベーターの待ち時間がもどかしい時もあるけど、この眺めはそれだけの価値があると思う。



どんどんと地面に近づくエレベーター。



それと共に見下ろしていた景色も上にきた。



「由宇希、行くよ。」



笑いながら促され、あたしは急いであとを追った。













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