同居ゲーム
口に当てた手が震えた。



「由宇希、こっち来てな。」



彩華達と常に一緒にいたあたしにいる数少ない友達の杪(コズエ)があたしの腕を掴んだ。



されるがまま、あたしは壁際に移動する。



「ホント迷惑。」



声が聞こえた。



誰かわからないけど、あたしの近くで。



ゴメンなさい、と口ごもる。



でも、あたし何かしたかな。



ただ、おはようって言っただけなのに。



まだ目の前ではまだ宏樹を止めるのに大忙しだ。



違うクラスからも、人が見に来ていた。



ドアや窓のところには人集りができている。



「由宇希、いる?」



ザワザワとしている人混みを掻き分けて、央が入ってきた。



と、クラス中があたしを見る。



宏樹もその中の一人だった。



「何?」



気まずい雰囲気の中、俯きがちに進み出る。



「この騒ぎ何かと思って。
……なんか俺、邪魔だな。」



央はあたりを見回し、入り口の方に後退った。




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