同居ゲーム
「由宇希。」



冷たい声が教室に響く。



「こいつ誰?」



据わった目をあたしに向け、宏樹は振り返った。



落ち着いた、と安心していた友達に、緊張が走る。



「あ…。」



チッと舌打ち。



「えっ…と。」



何て言おう。



ゲームのことは言えないし。



困って央を見る。



頭を掻きながら、悪いと言うように手で拝み、央は口を開いた。



「俺は…、友達、です。」



ハッと息を吐き、宏樹は央を睨んだ。



目をぱちくりしつつ、ニッコリ笑って、央は会釈した。



「俺、帰る。」



少し、いつもの宏樹に戻った?



眉を寄せて、宏樹は自分の机に向かった。



と、スススッと央が近寄ってきた。



「何、あいつ。」



さすがにイラッときたようだ。



「いつもはスゴくいい人なんだよ。」


「へぇ。」



信じられないという顔だ。



「あたしも初めてあんな宏みた。」



怖かった。



でも、憎めない。



宏樹があんなになる理由は何なんだろう。






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