同居ゲーム
みんなが唖然としている間に、宏樹は静かに帰っていった。



残されたあたし達に視線が集中する。



肩を怒らせてあたしをにらむ彩華。



沈黙が続き、それを破ったのは気の強いところがある杪だった。



「あんたら、何があったのよ。」



彩華は答えそうになかったので、あたしが答える。



「わからない。
最近、宏と彩華がちょっとトラブってて。」


「あんたのせいよ!」



すかさず彩華が口を挟む。



「あんたは黙ってな。」



毅然と杪に言われ、彩華は顔を歪ませた。



「あんたのせいってどういうことなの?」


「わかんない。
あたし、何かしたかな。」


「あたし達には余計わからないから。」



まあ、落ち着いたらちゃんと話しな、と杪は言って。ぐちゃぐちゃになった机を並べ始めた。



それをきっかけに、教室の空気も元に戻り始めた。



「由宇希、なんか悪かったな。」


「何が?」


「余計にあの人怒らせたみたいだったからさ。」


「あぁ、全然。
こっちこそゴメンね、とばっちり食らわせて。」



言いながら、教室の入り口まで歩く。



「じゃあね、央。」


「おー。」



手を上げて自分の教室に戻っていく央を見送り、あたしは自分の机に座った。











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