同居ゲーム
「お前…!」



海斗に言っているのかと思ったけど、目を上げるとあたしを睨んでいた。



あたし!?



「え…と…、すいません、出ていきます。」


「ここに来い。」



あ〜、どういうことだろう。 



言われた通りにしようと腰を上げると、海斗に腕を掴まれた。



「行かないでいい。
ここにいて?」


「ん。」



あたしはストンと座り直す。



隣に海斗も座った。



「勝手にこの家に入って来ないで下さい。」


「お前が勝手なことをするからだ。」


「勝手なこと?
母さんには許可もらいました。」


「俺はしとらん!」



はぁ、長くなりそう。と海斗がため息まじりに呟く。 



海斗、やっぱ帰らなきゃいけないのかな。



せっかく、こういうこともできるようになったのに。



美喜さん達にも知られているから隠す必要もなくなって、みんなの前でもやろうと思えばイチャつけるのに。



「どうしたの?
そんな寂しそうな顔しなくていいよ。」



するよ。



連れ戻されそうなのに。



海斗はどうやって切り抜けるつもりなんだろう。





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