同居ゲーム
しばらくして、海斗は靴を持って戻ってきた。



ひとまず、戻ってきてくれたことにホッとする。



美喜さんも弱った笑みを浮かべた。



そのあたし達の横を通り過ぎ、海斗は川端さんの前に立った。



そして、持っていた靴を放る。



「出てって。
俺、あんたと一緒に暮らしたくない。」



思わず隣の岩谷さんを見上げる。



岩谷さんは眉根を寄せて難しい顔をした。



央もキョロキョロと助けを求めるようにみんなを見回している。



「海斗。」


「みんなも俺と同じでしょ。」



その言葉に牽制した岩谷さんも黙る。



「もう何ヵ月も経つのに、みんなと馴染もうともしないじゃない。
みんな、気まずい思いしてきたんだよ。
それでも、あんたと仲良くしようと声も普通にかけてきたんだ。

なのに、あんたは自分勝手だし。
俺ももうこれで限界。」



言った。



あたしも言いたかったこと。



なんだか、少し嬉しくもあり、可哀想でもある。



でも、もうこれで終わりだと思うとスカッとした。




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