同居ゲーム
放課後、約束通りに央がきた。
「由宇希!」
忠犬のように廊下で待たれるなんて、ビックリだ。
トットッと駆け寄ってくる央を見ながら思った。
「行こっか。」
「おおっ。」
バッグを担ぎ直し、央は先に立って歩き出した。
「一駅動くけど、いい?」
「いいも何も、付き合わせるつもり満々なんでしょ。」
「アイスでも奢るからさ。」
この季節には寒い。
「ケーキがいいな。
帰りにお茶しよ。」
「お茶?
なんか、楽しみだな。」
子どもみたいに嬉しそうに顔を綻ばせる央。
あたしは心の底から喜ぶところが好きだったりする。
「そうと決まれば急ぐ急ぐ。
夕飯あるから、あんま時間ないだろ?」
「うん。」
あたしは足を少し速めた。
そういえば。
宏樹と彩華と3人でこうやって遊んだなぁ。
今ではもう無理かもしれない。