同居ゲーム
ちょっと前までは普通だった光景が目に浮かび、少し寂しくなった。



ホント、最近では口もきかないからな。



まぁ、宏樹が距離を置いてるんだけど。



「央、塾とか行ってないの?」


「家庭教師だった。」


「へぇ。
もう一回始めれば?」



あたしの提案に、央は尻ポケットの財布を叩いて答えた。



そうだった。



今のところ、親に出してもらうという選択肢はないんだった。



「なんかあたし達、面倒な時期にゲームに参加したよね。」


「なぁ。
親いねーから、もう受験だぞって尻叩かれることなかったしな。」


「気楽にしすぎた報いが今、だよね。」



央は苦虫を噛み潰したような表情で頷いた。








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