同居ゲーム



買い物を済ませて帰ったのは6時近かった。



ただいまもそこそこに部屋に戻り、制服を脱いで急いでキッチンに向かう。



「今からご飯作るから、ちょっと待ってね。」



リビングにいるみんなに一声かけ、あたしは冷蔵庫の中を覗いた。



と、ふわっと背中に誰かが抱きついてきた。



「海斗。」



十中八九、海斗だ。



「今日はもう、出前でいいんじゃない?
うなぎとかうなぎとか、うなぎとか。」


「何、うなぎが食べたいの?」


「うん。」



何だかんだ、あたしは海斗に甘い。



みんなに訊いても反対意見なんか出るはずもないし、今日の夕飯はうなぎに決定した。



まあ、月初めに渡される生活費も余ってるし、これくらいの贅沢は許されるはずだ。



「由宇希、あたし、明日はピザ食べたい。」


「俺、焼き肉食いに行きたい。」


「俺は寿司。」


「じゃあ、次は俺、ステーキとか。」



好き勝手にワイワイ言ってるのはいいけど、無理だよ?



あたしはため息をついて、電話を取った。












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