同居ゲーム

「どしたの？」



あたし、何かしたかな？　



尋ねると、海斗は少し口を尖らせた。



「なんで央と行くのかな。」


「…。」


「俺と行くって選択肢があってもよかったんじゃないかな。」



そんなこと？



「それで、その…怒ったの？」



唖然とした顔をしていたんだろう、海斗は気まずそうに



「醜い嫉妬です。」



と言った。



「いや、醜いとかじゃなくて。
あたし、央についてきてって言われたから行っただけで、そういうつもりで行ったわけじゃないよ。」


「知ってる。
知ってるから、天然だから、余計。
こんなになってんの俺だけだから、余計悔しい。」



悔しいって。



少し、沈黙があった。



「あたし、海斗に教えて欲しいな。」


「……どこからやる？」



さっきまでの気まずい空気はどこへやら、あたし達は何もなかったかのように勉強を始めた。