同居ゲーム

2月




雪が窓ガラスにぶつかりながら地面に落ちる。



あたしは頬杖をついてそれを眺めた。



受験もあっという間に終わり、あとは結果を待つのみ。



教室はしんとしている。



きっと、みんな受験が終わって力が抜けたんだろう。



あたしも例外ではなく、頭がボーッとしている。



授業の内容なんか、右から左へ抜けていく。



先生もみんなの様子に慣れて、もう「寝るな」とか、「集中しろ」とか、言わなくなった。



少しの間は見逃してくれるらしい。



あたしはこった首を回しつつ、教室を見回した。



机に突っ伏して寝ている人、やる気なさげに遠くを見ている人、教科書をパラパラめくっている人。



真面目に授業を聞いている人はごくわずかだ。



あたしは隣の席の宏樹をつついて起こした。
(少し前に席替えをした↑)



「何?」



眠たそうに目をこすりながら、宏樹は机から身体を起こした。



「ちょっと暇だったから、宏を起こしてみた。」


「なんだよ、せっかくいい夢みてたのに。」


「悪い夢になる前に起こしてあげたんだから感謝してよね。」



頼んでないって、と文句を言いながら、結局起きてくれた。



変なの(笑




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