同居ゲーム

別れ




みんな、それぞれ進路が決定してきたこの頃。



個々に卒業アルバムを作る人が増えてきた。



「由宇希、一緒に写真撮って。」


「あ、うん。」



宏樹もその一人だ。



男子では珍しい。



「悪りぃ、杪撮ってくんない?」



杪はあからさまに面倒くさそうな顔をしながらカメラを受け取った。



「お前と由宇希も撮って写真やるから。」


「手を打つ。」



そんざいに頷き、杪はカメラを構えた。



「いくよ、はい。」



パシャリとシャッターがきられた。



「おいおい、チーズとか掛け声はないのかよ。」


「不満なら、さっきの写真削除するけど。」



淡々と杪はカメラを操作する。



「うわぁ、ちょっと待て!」



泡を食って宏樹はカメラを取り返す。



まったく、宏も素直にありがとうって言えばいいのに。



あたしはため息をつきながら笑った。



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