同居ゲーム
学校に着くと、みんなのテンションにのまれた。
泣いている女子が多い。
男子はいつも通りを装っているけど、どこかしんみりしている。
「じゃあな。
帰りは出来たら一緒に帰ろうぜ。」
央はそれだけ言って、人ごみの中へ消えた。
「おはよう。」
机に座って、杪はあたしを待っていた。
「おはよう。」
「なんか、変な気持ちだね。」
「え?」
杪にしては、珍しく弱弱しい笑いだ。
「小学校からずっと一緒にやってきた奴らと別れるのってさ。
なんか、ぽっかり穴が開く感じ。」
「うん。」
あたしはカバンを机に置き、杪の向かいに腰かけた。
「あたしもだよ。」
宏樹がその空気を壊すように現れた。
「な、写真、撮ろ。」
うん、ありがと。
言葉がのどに詰まって言えなかった。
宏樹、あたし、あんたと別れるのがすごく辛い。