同居ゲーム
「あ…。」



重力で海斗の髪があたしの頬にかかる。



「驚いた?」



静かな声。



「ゴメン。」



聞き返す間もなく、海斗が起き上がる。



「俺が悪かった。」



出て行こうとする海斗の背中に抱きつく。



「どうしたの?」


「ちょっと、その体制ヤバい。
放して。」


「やだ。
出ていかないのなら放す。」



やがて、海斗は床に腰を落ち着けた。



「ゴメン、ほんとに衝動的に。」



頭を抱えて、海斗は呻いた。



「怖かった?」


「いや…。」


「目が、怯えてたよ。」



言われて、口をつぐんだ。



「体制が体制だったから。」



海斗は自嘲気味に笑う。




< 251 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop