同居ゲーム
そしてとうとうやって来た彩華の誕生日。
「彩華〜。」
「ん?」
「今日あたし先に帰るわ。」
「何で!?」
彩華はやっていた問題集から顔を上げた。
「何か用事あるの?」
「彩華があるの。」
「は?」
意味不明な言葉に驚く彩華を残し、あたしは宏樹に囁いた。
「頑張れ彼氏!」
「おうよ。」
宏樹は嬉しそうに笑って、学校指定のナイロンバッグから小さな袋を取り出していた。
その姿を横目に見ながらあたしは教室を出た。
上手くやってるかな、宏樹は。
なんだかあたしは自分がもらえるみたいにワクワクしていた。