同居ゲーム
「まあ、とにかく由宇希。
一緒に帰ろ?」


「いいよ。声かけてくれたんだね。」



真田さんは二ヒッと照れたように笑った。



「真田さん、結構可愛いかも。」


「央。
央って呼べ。」


「わかったよ。」



赤い顔を見逃さなかった。



この人、チャライと思ってたけど、いい人かも。



あたしは央と帰りながら、央のいいところをたくさん見つけた。



例えば、自転車を降りて、あたしの歩調にあわせて歩くところ。



道の外側を歩くところ。



笑顔を絶やさないところ。



もっと、もっとある。



些細なことが、嬉しかった。



あたしは宏樹くらいしか、男の子と話したことがなかったから。







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