同居ゲーム
あたしは座った瞬間、視線を床に持っていった。



実は、楽しみでもあったし、怖くもあったから。



本当は、変わりたいって思ってる。



まあ、ギャルっぽくじゃなくて。



あたしには似合わないし。



でも、もう少し派手になってみたい。



肩まである髪を、ひとつに結んだり、ツインテールにしたりしているだけだから。



まだ中学生で、パーマもカラーリングもダメだから、せめて髪型だけでも、って。



美喜さんに相談して、美容室に行って髪を切ってもらおうかな?



カチャカチャと、ピンやゴム、スプレーを出している音がする。



それを聞いて思った。



美喜さんに相談したら、あたしの思ってる派手のさらに派手を勧められる気がする。



「由宇希、いくよ?」


「はい。」



頷くと、髪にくしが入った。





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