同居ゲーム
「ゴメン!
ビックリした?
ケープだよ、これ。」



目の前で美喜さんはスプレー缶を振る。



「ビックリしたぁ。」


「何、ボーっとしてたの?」


「はい。」



ニッコリ笑う美喜さんの目は、マスカラとアイシャドウに隠れていても、優しかった。



あたしは思い切って相談してみることにした。



「ねえ、美喜さん。」


「ん~?」


「高校ってどんな?」



美喜さんはあたしの髪を触っている手を止めた。



「高校?
楽しいよ。」


「どんな感じ?」


「みんな青春を謳歌してる。」



フフッと笑う美喜さん。





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